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シンプルは危険な道

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最近、「シンプル」という言葉をよく聞くように思います。

シンプルとは、明快かつ一目瞭然の状態となっていることです。

一見、シンプルは簡単そうに見えます。
物事を単純化すれば実現できそうですからね。

ですが、シンプルにすることは、実はそう簡単な道ではありません。




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IDEOのCEOティムブラウンの提唱する"デザイン思考"のプロセスの中に、「発散的思考」と「収束的思考」があると語っています。 前者は、アイデアを際限なく広げていく事。 後者は、そのアイデアから重要なことだけ残し、あとは捨てていく事です。

この行程が無いと、シンプルではなく、単純なものしか生まれません。 様々な方向のアイデアをだし、様々な角度で検証する事で、独創的なアイデアが生まれるからです。

発散的思考でアイデアを出すのはそこまで難しくはないです。 可能性を広げていく事に失敗はありませんから、どんどん突拍子もないものを出していけばいいのです。

そうして様々なアイデアを出すと、選択肢は広がります。

選択肢は、増えれば増えるほど、複雑化していきます。

そのまま形にしてしまうと、複雑で難解なものが出来上がってしまうでしょう。
選択肢を増やしたら、「収束的思考」で選択肢を少なくする必要があります。

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選択肢を減らす事は、簡単そうに見えて実は難しいです。

せっかく出したアイデア。
それに対する執着心もあるし、それをなくす事で何が起こるかわからないという恐怖心もあるでしょう。

捨てる事は、いつも「失敗」と隣り合わせだと感じてしまうのです。

だが、その執着心からいつかは離れなければなりません。
自分が本当に実現したい事のために、必要のないものから捨てていく。

こうして真のシンプルさが残っていくのです。

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「イノベーションのためには(本当は必要の無い)1000の事にNoという必要がある。」
これは、Appleの元CEOであるジョブズ氏が、NikeのCEO マーク・パーカー氏に贈った言葉だそうです。

本当に大切な事を成し遂げるためにとことん捨て続けたからこそ、Appleのシンプル主義は完成されたのでしょう。

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